火力発電 4.蒸気の性質

水を熱すると水温は上がって沸点に達する。このために費やされた熱量は顕熱という。沸点に達した水をさらに熱しても水温は上昇せず、加えた熱量は水を蒸発させるために消費される。この熱量は潜熱という。 沸点は気圧によって変わり、圧力が増すと沸点が高く…

火力発電 3.熱力学

(1)熱力学の第一法則 熱エネルギーは物質の分子の運動エネルギーであり、ほかの力学的エネルギーへの変換が可能である。この熱エネルギーの変換にエネルギー保存の法則を拡張したものが熱力学の第一法則である。:熱量、:仕事 の熱量を外部より受け取り、圧…

火力発電 2.構成

(1)燃料貯蔵設備 ・石炭 アンローダ(揚炭機)、貯炭場、 ・LNG LNGタンク、LNGポンプ、気化器 ・石油 燃料油タンク、サービスタンク、燃料油ポンプ (2)ボイラ設備 ボイラ本体、通風機、空気予熱器、給水ポンプ、バーナ (3)排煙処理設備 脱硝装置、脱硫装置…

火力発電 1.概要

火力発電とは、石炭、石油、天然ガスなど燃料のもつ熱エネルギーを原動機によって機械エネルギーにへんかんし、さらに発電機によって電気エネルギーに変換する発電方式であり、原動機の種類により以下のように分類される。 (1)汽力発電 ボイラで燃料を燃焼し…

水力発電 9.調速機

電力の安定供給のために、周波数を一定に保つことが要求されており、負荷の増減にかかわらず、水車の回転速度を一定に保たなければならない。負荷の増減に応じて水車の水口開度を変化させ流入量を調節し、水車の出力を調整する必要がある。そのため、ペルト…

水力発電 8.水車の特性

・比速度 水車はランナの形状が掃除であれば、大きさに関係なく同じ特性をもつ。今、二つの相似形のランナにおいて、流量を、落差を、ランナの直径をとする。ランナに入る水の流速はトリチェリの定理よりであり、ランナの周速度は流速に比例する。よって周速…

水力発電 7.水車

1.水車の種類 水の持つ位置エネルギーは運動エネルギーにも圧力エネルギーにも変えることができる。この位置エネルギーを運動エネルギーに変えて利用する水車が衝動水車、圧力エネルギーに変換して利用する水車が反動水車である。衝動水車は水をノズルから噴…

水力発電 6.水圧管路

水槽またはサージタンクから落差に相当する圧力のかかった水を水車に導くために布設される管を水圧菅という。 水圧菅は静水圧のほかに、使用流量に急変があったときにおこる異常水圧上昇を受けるので、これあrに耐える必要があり、普通、軟鋼板で作られる。…

水力発電 5.放水路・水槽およびサージタンク

・放水路 水車から放出される水を再び河川に導くための水路は放水路と呼ばれ、その河川への出口は放水口と呼ばれる。 放水路は洪水時でも水車の制限水位以上に放水位が上昇しないようにすることが必要である。地形に応じ、開きょ、トンネル、暗きょなどが用…

水力発電 4.水路

取水口から取水された水は、水路を通って水槽に導かれ、水圧菅を経て水車に供給される。使用後の水は、放水路を通って再び河川に放流される。これらの工作物のうち、取水口の直後から水槽の入り口までは導水路と呼ばれ、地形および発電所の規模によってさま…

水力発電 3.取水口

河川の水を発電所に導くために、水路への流入口として河川に設けられるのが、取水口である。一般に、取水口の設備は、最大使用量を安全に取水するとともに、必要に応じて取水量を調節できることがひつようである。また、洪水時の激流の直撃ではかいされるこ…

水力発電 2.水力発電所の発電方式

(1)構造上の分類 a.水路式 自然の河川のこう配をそのまま利用する方式で、河川の1地点で取水し、その河川のこう配より緩やかなこう配の直線的な水路と、発電所の近くで急こう配の水圧間を作り、河川との間の落差を利用する。主要な水の流れは次のとおりであ…

水力発電 1.理論水力と発電出力

(1)流量と連続性 管の中を水が充満して流れている。その流量は、管の断面積を、流速をとすると 図のように水の流れる管の2点とし、そこの断面積を、流速をとすると、途中に水の出入りがなければ流量は変わらないので が成り立つ。これを連続性という。断面積…

状態方程式における安定性2

定義 においてとする。適当な定数に対して ならば、もう1つの定数が存在して のとき、システムは有界入力有界出力(BIBO)安定という。 定理 システムがBIBO安定であるための必要十分条件は、そのシステムの伝達関数 の極がすべて負の実部をもつことである。…

状態方程式における安定性1

定義 においてとするとき、任意の初期状態に対して となるとき、システムは漸近安定であるという。 定理 システムが漸近安定であるための必要十分条件は行列の固有値の実部がすべて負となることである。 証明 (必要性) とおくと の固有値を、それに対応す…

可観測性

定義 出力をの間観測することによって、時刻0における状態を求めることができるならば、このシステムは可観測である(observable)という。 定理 のシステムが可観測であるための必要十分条件は \begin{equation} \pmb{R}=\begin{bmatrix} \pmb{c}^T \\ \pmb…

可制御性

定義 システムの状態を任意の初期状態から、任意の時刻においてとするような入力が存在するとき、このシステムは可制御(controllable)という 定理 のシステムが可制御であるための必要十分条件は が となることである。 証明 (必要性) より、任意の[\pmb…

状態方程式4

初期状態が与えられたときの状態方程式と伝達関数の関係 \begin{equation} \pmb{X}(s) = \mathcal{L} [ \pmb{x}(t) ] = \begin{bmatrix} X_1(s) \\ \vdots \\ X_n(s) \end{bmatrix} \end{equation} \begin{equation} \mathcal{L}[\pmb{x}'(t)] = \begin{bmat…

状態方程式3

簡単のため伝達関数が で与えられる場合について考察する。を部分分数展開すると ただし、 であり、 となる。ここで、 \begin{equation} \left. \begin{array}{l} X_1(s)=\frac{1}{s-p_1}U(s) \\ X_2(s)=\frac{1}{s-p_2}U(s) \\ X_3(s)=\frac{1}{(s-p_3)^3} …

状態方程式2

伝達関数が で与えられる制御系の状態方程式モデルは、次のようにして求められる。 まず、次のような変数を定義する。 上式の分母を払って逆Laplace変換すると を得る。ここで、個の状態変数を次のように定義する。 \begin{equation} \left. \begin{array}{l…

状態方程式1

古典制御理論ではシステムをモデル化する場合、入出力関係を表す伝達関数や周波数応答が使われてきたが、現代制御理論では、システムの内部変数にも注目した状態方程式と呼ばれる連立の1次微分方程式が基礎として用いられる。 図の1次遅れのブロック線図は …

根軌跡法2

このブロック線図で表される制御系を考える。この制御系の特性方程式は 平面上の任意の点が根軌跡上にあるための条件を求める。特性方程式は と一般に表される(の最高次の係数が1になるようにKをとれば一般性を失わない)。 より、 【根軌跡の性質1】 を出…

根軌跡法1

フィードバック系の一巡伝達関数のゲインを0から無限大まで変化させたときに、そのシステムの極が複素平面上に描く軌跡を根軌跡という。システムの極はその安定性や過渡応答特性との密接な関係にあるため、この根軌跡によってゲインの大きさがシステムの特性…

安定性9 Nyquistの安定判別法3

複素平面上に虚軸と原点を中心とした半径が無限大の右半円からなる閉曲線を考える(こちらは平面と呼ぶ)。点が閉曲線上を一周するとき、対応するの値が複素平面上に描く閉曲線をのNyquist線図と呼び、こちらの複素平面は平面と呼ばれる。 が閉曲線上を時計…

安定性8 Nyquistの安定判別法2(概略2)

フィードバック制御系が実際に使用できるためには、安定でなければならないことはもちろんであるが、安定でありさえすればよいというものでもない。たとえば、一度振動が生じると、その振動が消滅するまでに長時間かかるというのでは、実用に供することはで…

安定性7 Nyquistの安定判別法1(概略1)

フィードバック制御系のブロック線図において、前向き伝達関数、フィードバック伝達関数はともに安定な特性を持つものと仮定しておく。このブロック線図は入力信号を0とみなすと、 と表現することができる。さらにA点でループを切り開くと となる。この図に…

安定性6 代数的判別法4 Hurwitzの安定判別法

特性方程式 に対して行列を \begin{equation} H_n = \begin{bmatrix} a_{n-1} & a_{n-3} & a_{n-5} & \cdots & 0 \\ a_n & a_{n-2} & a_{n-4} & \cdots & 0 \\ 0 & a_{n-1} & a_{n-3} & & \vdots \\ 0 & a_n & a_{n-2} & & \vdots \\ \vdots & \vdots & & \d…

安定性5 代数的判別法3 Routh数列の要素が0となった場合

証明までは、Routh数列の計算の途中でその要素が0とならないという仮定のもとに議論を進めてきたが、Routh表作成途中でとなり、計算が続行できなくなる場合がある。この場合には以下に示すようには不安定根ないし中立根を必ず持つ。したがって、ここで計算を…

安定性4 代数的判別法2 Routhの安定判別法

Routhの安定判別法は をもとに、Routh表と呼ばれる数表を作りその第1列の全ての要素が同符号であれば、システムが安定であるというものである。 Routhの数表の作り方を説明する。表は個の行からなり、各行の要素は以下のように定める。第1行(の行)と第2行…

安定性3 代数的安定判別法1

プロパーな有理伝達関数をもつシステムが安定であるかどうかを判別するには、システムの極の実部が正負であるかどうかを調べればよい。伝達関数の分母多項式を0とおいた式、特性多項式の根の実部の正負を調べればよい。以後、実部が負であるような根を安定根…