定義
システムの状態を任意の初期状態から、任意の時刻においてとするような入力が存在するとき、このシステムは可制御(controllable)という
定理
のシステムが可制御であるための必要十分条件は
が
となることである。
証明
(必要性)
より、任意の[\pmb{x}(0)]に対して適当な入力が存在して、
は正則であるから、
一方、
Cayley–Hamiltonの定理より、
ゆえに
と書ける。したがって、
とおけば、
\begin{equation} \pmb{x}(0)= [ \pmb{b}, \pmb{Ab}, \ldots, \pmb{A}^{n-1}\pmb{b} ] \begin{bmatrix} u_0 \\ u_1 \\ \vdots \\ u_{n-1} \end{bmatrix} \tag{*1} \end{equation}
(*1)が任意のに対して成立するためには、の列ベクトルは個の1次独立なものがなければならない。したがってとなる。
(十分性)
とする。
まず、次の行列が正則であるtことを示す。
任意の
適当な時限ベクトルが存在して、になったとすると、
したがって、
を得る。で微分してとおくことを繰り返して、
あるいは
であるから、である。ゆえに、は正則である。次に、このを用いて
とおき、
に代入すると
=0]
したがって、(*2)の入力によってシステムの状態がからに移されることがわかる。
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