伝達関数が
で与えられる制御系の状態方程式モデルは、次のようにして求められる。
まず、次のような変数を定義する。
上式の分母を払って逆Laplace変換すると
を得る。ここで、個の状態変数を次のように定義する。
\begin{equation} \left. \begin{array}{l} x_1 (t)= x (t) \\ x_2(t)=x'(t) \\ \vdots \\ x_n(t)=x^{(n-1)} (t) \end{array} \right\} \tag{*2} \end{equation}
\begin{equation} \left. \begin{array}{l} {x_1}'(t)= x_2 (t) \\ {x_2}'(t)=x_3(t) \\ \vdots \\ {x_n}'(t)=x_n (t) \end{array} \right\} \tag{*3} \end{equation}
また、(*1)から
を得る。 (*3)(*4)をまとめてベクトルと行列を用いて表わすと、
\begin{equation} x'(t)=\begin{bmatrix} 0 & 1 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & 0 & 1 & \cdots & 0 \\ \vdots & \vdots& \vdots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & 0 & \cdots & 1 \\ -a_n & -a_{n-1} & -a_{n-2} & \cdots - a_2 & -a_1 \end{bmatrix} \pmb{x}(t) + \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ \vdots \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix} u(t) \tag{*5}\end{equation}
ただし、
\begin{equation} \pmb{x}(t) = \begin{bmatrix} x_1(t) \\ x_2(t) \\ \vdots \\x_n(t) \end{bmatrix} \end{equation}
次に
から
を得る。逆Laplace変換すると、
を得る。これが出力方程式である。(*5)(*6)の形を可制御標準形という。
伝達関数から
を満足するようなを求める問題を現実問題、をの実現という。が
で与えられる場合
\begin{equation} A=\begin{bmatrix} 0 & 1 & 0 & \cdots & 0\\ 0 & 0 & 1 & \cdots & 0 \\ \vdots & \vdots& \vdots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & 0 & \cdots & 1 \\ -a_n & -a_{n-1} & -a_{n-2} & \cdots - a_2 & -a_1 \end{bmatrix}, \pmb{b}= \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ \vdots \\ 0 \\ 1 \end{bmatrix} , \pmb{c}=\begin{bmatrix} b_n \\ b_{n-1} \\ b_{n-2} \\ \vdots \\ b_1 \end{bmatrix} \end{equation}
はの実現である。一般に実現は1通りとは限らない。実際、もまたの実現である。こののような実現の形を可観測標準形という。可観測標準形の状態方程式モデルは
\begin{equation} x'(t)=\begin{bmatrix} 0 & 0 & 0 & \cdots & 0 & -a_n \\ 1 & 0 & 0 & \cdots & 0 & -a_{n-1} \\ 0 & 1 & 0 & \cdots & 0 & -a_{n-2}\\ \vdots & \vdots& \vdots & \ddots & \vdots & \vdots \\ 0 & 0 & 0 & \cdots & 1 & -a_1 \end{bmatrix} \pmb{x}(t) + \begin{bmatrix} b_n \\ b_{n-1} \\ b_{n-2} \\ \vdots \\ b_1 \end{bmatrix} u(t)\end{equation}
となる。
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