古典制御理論ではシステムをモデル化する場合、入出力関係を表す伝達関数や周波数応答が使われてきたが、現代制御理論では、システムの内部変数にも注目した状態方程式と呼ばれる連立の1次微分方程式が基礎として用いられる。
図の1次遅れのブロック線図は
と変換でき、さらに時間領域へ変換すると積分器を使って表すことができる。
積分器の出力をとすれば、その入力値は微分値なので、信号の流れにそってまとめれば、
の1次微分方程式を得る。
次のブロック線図は
時間領域へ返還すると
となる。行列を使うと
\begin{equation} \begin{bmatrix} \frac{d}{dt}x_1(t) \\ \frac{d}{dt}x_2(t) \\ \frac{d}{dt}x_3(t) \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 0 & 0 & -2 \\ 1 & -3 & 0 \\ 0 & -3 & -4 \end{bmatrix} \begin{bmatrix} x_1(t) \\ x_2(t) \\ x_3(t) \end{bmatrix} + \begin{bmatrix} 2 \\ 0 \\ 0 \end{bmatrix} u(t) \tag{*1} \end{equation}
\begin{equation} y(t) = (0,1,0)\begin{bmatrix} x_1(t) \\ x_2(t) \\ x_3(t) \tag{*2}\end{bmatrix} \end{equation}
とおける。ここで、はそれぞれ入力変数、出力変数であり、のような中間変数を状態変数という。また、(*1)を状態方程式、(*2)を出力方程式といい、時間域での線図を状態変数線図という。
一般に状態変数がの個存在するシステムを(動的)次元がのシステムといい、この場合状態方程式と出力方程式は
\begin{equation} \begin{bmatrix} \dot{x}_1(t) \\ \dot{x}_2(t) \\ \vdots \\ \dot{x}_n(t) \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{bmatrix} \begin{bmatrix} x_1(t) \\ x_2(t) \\ \vdots \\ x_n(t) \end{bmatrix} + \begin{bmatrix} b_1 \\ b_2 \\ \vdots \\ b_n \end{bmatrix} u(t) \tag{*3}\end{equation}
\begin{equation} y(t) = (c_1,c_2,\ldots, c_n)\begin{bmatrix} x_1(t) \\ x_2(t) \\ \vdots \\ x_n(t) \tag{*4}\end{bmatrix} \end{equation}
であ表すことができる。以下、これらを行列、列ベクトルを用いて、
としてこれらをLaplace変換すると、
(*5)より
両辺に[tex:(s\pmb{I}-\pmb{A})^{-1}を乗ずると
これを(*6)に代入すると
これから伝達関数は
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