定義
においてとするとき、任意の初期状態に対して
となるとき、システムは漸近安定であるという。
定理
システムが漸近安定であるための必要十分条件は行列の固有値の実部がすべて負となることである。
証明
(必要性)
とおくと
の解は
が実数のときとおくと、
システムが漸近安定なら任意のに対して
が成り立つのであるから、、すなわちでなければならない。
が複素数のときには、とおく。に共役な固有値をとすると、は、に対する固有ベクトルになっている。このとき、
とおくと、は次のように書ける。
上式のカッコ内はのとき収束しない。したがって、、すなわちの実部が[sigma \lt 0]を満足しなければならない。
(十分性)
ただし、はジョルダン標準形とすると、
の解は次のように書ける。
は固有値の数、は固有値に対応する最大のジョルダンブロックの大きさ、は適当な定数である。するとの各要素は
と書ける。の実部が負ならば任意のに対して
となる。ゆえに、任意のに対してを得る。
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