火力発電 1.概要

火力発電とは、石炭、石油、天然ガスなど燃料のもつ熱エネルギーを原動機によって機械エネルギーにへんかんし、さらに発電機によって電気エネルギーに変換する発電方式であり、原動機の種類により以下のように分類される。

(1)汽力発電

ボイラで燃料を燃焼して高温・高圧の蒸気を発生させ、蒸気タービン・発電機を駆動して電力を発生する発電方式である。燃料は石炭、石油、液化天然ガスなどが使用される。

(2)ガスタービン発電

汽力発電ではボイラで燃焼した燃焼ガスと水を熱交換して蒸気とし、蒸気タービンを駆動するのに対して、ガスタービン発電では燃焼ガスを直接タービンに吹き付けて駆動する発電方式である。ガスタービン発電単体での熱効率は汽力発電と比較して低い。

(3)コンバインドサイクル発電

コンバインドサイクル発電は高温域と低温域で異なる熱サイクルを組み合わせて寝踞尾率の向上を図る発電方式である。ガスタービン入り口燃焼ガス温度は1100^\circ \sim 1500^\circガスタービン出口排ガス温度は500^\circ \sim 600^\circ以下の低温域熱エネルギーを排熱回収ボイラで回収して蒸気を発生し、汽力発電に用いる。

汽力発電と比較して非常に高い効率を達成できることから、LNGを使用した火力発電設備としては、もっぱらコンバインドサイクル発電設備が建設されている。

(4)内燃力発電

内燃力発電は、軽油重油などを燃料とするディーゼル機関やガスを燃料とするガス機関を用いた発電方式である。電気事業用としては、島嶼発電所や非常用電源として使用されている。民生用としては自家発電や病院・ホテルの予備電源として使用されている。