水力発電 3.取水口

河川の水を発電所に導くために、水路への流入口として河川に設けられるのが、取水口である。一般に、取水口の設備は、最大使用量を安全に取水するとともに、必要に応じて取水量を調節できることがひつようである。また、洪水時の激流の直撃ではかいされることのないような位置を選ぶとともに、流下する流木や浮遊物、土砂などが、水路に流入することを防ぎ、常時も土砂の流入を防ぐよう、沈砂池やスクリーンなどを設ける。

1.水路式発電所の取水口 水路式発電所では、取水口は普通取水ダムに接して設けられ、制水門を設けて種類量を調節し、スクリーンによって、流木、流氷、ごみなどの流入することを防ぐ。また、取水口の敷きは、排砂門の敷きより高くして、水路への土砂の流入を避ける。

2.ダム式発電所の取水口 ダム式発電所でも調整水深の大きくない場合は、水路式と同様の取水口が設けられるが、調整水深が大きい場合は、取水塔を設けてこれに制水門やスクリーンを設備する。

ダムの上流面に制水門を設けて堤体内に埋設された管路に水を導くこともある。これらの場合に用いられる制水門は常時大きい水圧の下で操作されることが多く、ローラーゲートや特殊な構造のバルブが用いられる。

3.沈砂池 取水口から流入する水の中には、細かい土砂が含まれていることが多く、この水をそのまま使用すると、水車や水圧間の摩耗、損傷、土砂の水路底への沈殿などの不都合が生じる。そこで、取水口の近くに沈砂池を設けて、土砂を沈殿させたうえで水を水路に導く。地形の制約などから水路の途中に沈砂池を設けることもある。一般に土砂を沈殿させるためには流速を0.25[m/s]程度以下とする必要がある。