水力発電 8.水車の特性

・比速度 水車はランナの形状が掃除であれば、大きさに関係なく同じ特性をもつ。今、二つの相似形のランナにおいて、流量をQ_1,Q_2[\mathrm{m^3/s}]、落差をH_1,H_2[\mathrm{m}]、ランナの直径をD_1,D_2[\mathrm{m}]とする。ランナに入る水の流速はトリチェリの定理より\sqrt{2gH}であり、ランナの周速度vは流速に比例する。よって周速度をそれぞれv_1,v_2とすれば、

\displaystyle{\frac{v_1}{v_2}=\sqrt{\frac{H_1}{H_2}}}

となる。水の流量Qは流速と流入面積に比例し、流入面積はランナの直径Dの2乗に比例する。これにより、流量をQ_1,Q_2とすれば、

\displaystyle{\frac{Q_1}{Q_2} = \left(\frac{D_1}{D_2}\right)^2 \sqrt{\frac{H_1}{H_2}}}

が成り立つ。水車の出力は流量と落差に比例するから、

\displaystyle{\frac{P_1}{P_2}=\frac{Q_1 H_1}{Q_2 H_2} =\left(\frac{D_1}{D_2}\right)^2 \left(\frac{H_1}{H_2}\right)^{\frac{3}{2}}}

となる。水車の回転速度は周速度vに比例し、直径Dに反比例するから、回転速度N_1,N_2

\displaystyle{\frac{N_1}{N_2}=\frac{v_1}{v_2}\left(\frac{D_1}{D_2}\right)^{-1} = \sqrt{\frac{H_1}{H_2}} \left(\frac{P_1}{P_2}\right)^{-\frac{1}{2}} \left(\frac{H_1}{H_2}\right)^{\frac{3}{4}}= \left(\frac{P_1}{P_2}\right)^{-\frac{1}{2}} \left(\frac{H_1}{H_2}\right)^{\frac{5}{4}} }

となる。今、H_1=1\mathrm{m},P_1=1\mathrm{kW}とすれば、

\displaystyle{N_1= N_2 \frac{{P_2}^{1/2}}{{H_2}^{5/4}}}

となる。この値を比速度といい、比速度はある水車の相似な模型が有効落差1\mathrm{m}、出力1\mathrm{kW}で動作するときの回転速度である。

有効落差H[\mathrm{m}]、定格回転速度N[\mathrm{min}^{-1}]、定格出力P[\mathrm{kW}]のランナの比速度n_s

\displaystyle{n_s=N \frac{P^{1/2}}{H^{5/4}}}

\displaystyle{N=n_s \frac{H^{5/4}}{P^{1/2}}}