2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

根軌跡法2

このブロック線図で表される制御系を考える。この制御系の特性方程式は 平面上の任意の点が根軌跡上にあるための条件を求める。特性方程式は と一般に表される(の最高次の係数が1になるようにKをとれば一般性を失わない)。 より、 【根軌跡の性質1】 を出…

根軌跡法1

フィードバック系の一巡伝達関数のゲインを0から無限大まで変化させたときに、そのシステムの極が複素平面上に描く軌跡を根軌跡という。システムの極はその安定性や過渡応答特性との密接な関係にあるため、この根軌跡によってゲインの大きさがシステムの特性…

安定性9 Nyquistの安定判別法3

複素平面上に虚軸と原点を中心とした半径が無限大の右半円からなる閉曲線を考える(こちらは平面と呼ぶ)。点が閉曲線上を一周するとき、対応するの値が複素平面上に描く閉曲線をのNyquist線図と呼び、こちらの複素平面は平面と呼ばれる。 が閉曲線上を時計…

安定性8 Nyquistの安定判別法2(概略2)

フィードバック制御系が実際に使用できるためには、安定でなければならないことはもちろんであるが、安定でありさえすればよいというものでもない。たとえば、一度振動が生じると、その振動が消滅するまでに長時間かかるというのでは、実用に供することはで…

安定性7 Nyquistの安定判別法1(概略1)

フィードバック制御系のブロック線図において、前向き伝達関数、フィードバック伝達関数はともに安定な特性を持つものと仮定しておく。このブロック線図は入力信号を0とみなすと、 と表現することができる。さらにA点でループを切り開くと となる。この図に…

安定性6 代数的判別法4 Hurwitzの安定判別法

特性方程式 に対して行列を \begin{equation} H_n = \begin{bmatrix} a_{n-1} & a_{n-3} & a_{n-5} & \cdots & 0 \\ a_n & a_{n-2} & a_{n-4} & \cdots & 0 \\ 0 & a_{n-1} & a_{n-3} & & \vdots \\ 0 & a_n & a_{n-2} & & \vdots \\ \vdots & \vdots & & \d…

安定性5 代数的判別法3 Routh数列の要素が0となった場合

証明までは、Routh数列の計算の途中でその要素が0とならないという仮定のもとに議論を進めてきたが、Routh表作成途中でとなり、計算が続行できなくなる場合がある。この場合には以下に示すようには不安定根ないし中立根を必ず持つ。したがって、ここで計算を…

安定性4 代数的判別法2 Routhの安定判別法

Routhの安定判別法は をもとに、Routh表と呼ばれる数表を作りその第1列の全ての要素が同符号であれば、システムが安定であるというものである。 Routhの数表の作り方を説明する。表は個の行からなり、各行の要素は以下のように定める。第1行(の行)と第2行…

安定性3 代数的安定判別法1

プロパーな有理伝達関数をもつシステムが安定であるかどうかを判別するには、システムの極の実部が正負であるかどうかを調べればよい。伝達関数の分母多項式を0とおいた式、特性多項式の根の実部の正負を調べればよい。以後、実部が負であるような根を安定根…

Heavisideの部分分数展開の証明

有理関数(分母と分子に共通の因子はない) において と書く。 とおく(はの因子を持たないので定義可能)と、 (*1)から(*2)の右辺はで約すことができるから、右辺の有理関数においてはは次以下の極である。 このようにのような有理関数を引いて、再び極の次…

安定性2 安定性の定義

【定義S2】(ステップ応答に基づく定義)有理伝達関数で記述できるシステムにおいて、そのステップ応答があらゆる時刻において無限大に発散することなく、かつ時間の経過とともにある一定値に収束するとき、すなわち適当な定数が存在して、 のとき、このシス…

安定性1 システムの極に基づく安定性

【定義S1】(システムの極に基づく定義)プロパーな有理伝達関数を持つシステムにおいて、そのシステムのすべての極の実部が負であるとき、このシステムは安定であるという。実部が負である極を安定極、実部が負である零点を安定零点と呼び、実部が正である…

ボード線図

ボード線図はベクトルについてその大きさととの関係を1本の曲線で表しさらに、位相角ととの関係をもう1本の曲線で表現する方法を用いている。 大きさに関しては を横軸に対数表示をとった半対数方眼紙上に描く。この曲線をボード線図上のゲイン特性曲線と呼…