太陽光発電では、太陽光のエネルギーを太陽電池の光電効果によって電力に変換する。その変換効率は家庭用の小規模なシステムでは現状、最高20%程度である。太陽電池の出力特性は日射量や温度によってヘン化するため、つねに出力が最大化されるよう制御されており、これをMPPT制御と呼ぶ。
へkなっこう率に関しては、太陽光の幅広い波長分布をできるだけ広く利用して変換効率を向上させる多接合型太陽電池などの技術開発も進められている。
太陽光発電の交流系統への連係では、太陽電池の直流電力出力を交流電力へ変換するインバータと、事故時の保護機能などををもつ系統連系装置が必要である。低圧連携のこの装置には、受動的方式と能動的方式の単独運転検出装置を備えることになっている。このうち受動的方式は、一般に高速性に優れているが、不感帯領域がある点や、急激な負荷変動等による不要動作を避けることに留意する必要がある。
また、広範囲の瞬時電圧低下や急激な周波数の変化等により太陽光発電が一斉に停止又は解列すると、系統全体の電圧や周波数の維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも運転を継続できる能力が養成されている。
【解説】
単結晶シリコン太陽電池は最も古くから使われている太陽電池で、変換効率が最も高く、住宅用の太陽光発電モジュールでは変換効率20%程度を達成しているものもあるが、多結晶シリコン太陽電池の変換効率はモジュールレベルでは13~14%と単結晶よりも多少変換効率が劣っているが、原料に関する問題がないため市場の主流となっている。
太陽電池の出力は、日射量や太陽電池の表面温度によって変動し、これらの変動に対して代用電池の動作点が常に最大出力に追従するように変化させ、太陽電池から最大出力を取り出す制御を行う。これを最大電力追従制御(MPPT Maximum Power Point Tracking)という。MPPT制御は、パワーコンディショナの直流動作電圧を一定時間間隔でわずかに変動させ、そのときの太陽電池出力電力を計測して前回との比較を行い、常に電力が大きくなる方向にパワーコンディショナの直流電圧を変化させることにより、太陽電池から最大出力を取り出す。
多接合型太陽電池は、異なる波長感度特性を持つ2つ以上の発電層を重ね合わせたもので、単接合より発電効率が向上する。アモルファスと微結晶(薄膜多結晶)を組み合わせたタンデム構造が主流で、トリプル構造もある。
太陽光発電の交流系統への連系は、太陽電池の直流電力出力を交流電力へ返還するインバータと事故時の保護機能などをもつ系統連系装置が必要で、これらを系統連系システムと呼んでいる。
定圧の電力系統に太陽光発電を連系する場合は、次の異常を保護リレー等により検出し、太陽光発電システムを自動的に解列するための装置を備えることが規定されている。
・太陽光発電の異常または故障
・連携している電力系統の短絡事故、地絡事故または高低圧混触事故
・太陽光発電の単独運転または逆充電
単独運転検出装置は、受動的方式と能動的方式とを1方式以上組み合わせて運用する。受動的方式は単独運転移行時の発電出力と負荷の不平衡による電圧位相や周波数などの急変を検出する方式で、高速性に優れているが、不感帯領域がある点や、急激な負荷変動等による不要動作を避けることに留意する必要がある。能動的方式は、パワーコンディショナの制御系や外部に付加した抵抗などにより、常時、電圧や周波数に変動を与えておき、単独運転移行時に顕著になるこの変動を検出する方式で、従来型と新型があり、新型は従来型の単独運転検出機能の検出速度を高速化したものである。
太陽光発電などの逆変換装置を用いる発電設備では、送電線事故による広範囲の瞬時電圧低下・瞬時周波数上昇、大規模電源脱落や系統分離による周波数変動が発生すると、一斉解列や出力低下継続などが発生し、系統全体の電圧・周波数維持に大きな影響を与える可能性があるため、そのような場合にも運転を継続できる事故時運転継続要件(FRT要件)を満たすシステムであることが要請されている。
|