2017年電験1種 理論問4

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 熱平衡状態にあるときは\Delta n = \Delta p

(1)の解答は(ワ)

 

再結合までの時間の目安はキャリア寿命と呼ばれる。

(2)の解答は(ロ)

 

単位時間、単位体積当たりg個の電子正孔対が生成され、定常状態では生成と消滅の割合は釣り合うはずなので、

\displaystyle{ \frac{\Delta}{\tau} = g }

(3)の解答は(カ)

 

図のような電極間の電圧Vを印加すると、一様な電界が生じるので

 \displaystyle{ E = \frac{V}{L} }

(4)の解答は(へ)

 

この電界により、電子は正極向きの、正孔は負極向きの力を受け、定常状態ではEに比例した一定の平均速度で運動する。電子の平均速度をv_eとすると題意より

 v_e = \mu_e E

正孔の電荷量が+qなので電子の電荷量は-qである。光照射による電子密度の増加分は\Delta nなので、電子による電流密度の増加分\Delta i_e

 \Delta i_e = -q \Delta n v_e = -q \Delta n \mu_e E

これにさらに\displaystyle{ \Delta n = \tau g, E= \frac{V}{L}}を代入すると

\displaystyle{ \Delta i_e = -\frac{q \tau g \mu_e V}{L} }

同様に、正孔による電流密度の増加分\Delta i_hは、

\displaystyle{\Delta i_h = \frac{q\tau g \mu_h V}{L} }

したがって、光生成キャリアのみによる電流密度の大きさ

 \displaystyle{i = \Delta i_h - \Delta i_e = \frac{q\tau g \mu_h V}{L} - \left( -\frac{q \tau g \mu_e V}{L} \right)= \frac{q \tau g ( \mu_h + \mu_e) V}{L} }

(5)の解答は(ル)