フィードバック制御系の過渡特性は、解析を容易にするために、インパルス入力、ステップ入力を加えたときの、過渡状態の応答から考えていく。
一次遅れ要素のインパルス応答は
である。
次に、フィードバック制御系の目標値が高さのステップ関数とする。制御量の応答はとする。
この応答を単位ステップ応答または、インディシャル応答というのであった。
伝達関数は次のように分類できる。
(1)1次遅れ伝達関数となる場合
(2)2次遅れ伝達関数となる場合
(3)それ以外の伝達関数となる場合。例えば、分母がに関して3時以上となる場合。
一方、外乱と制御量との伝達関数
に関しても同様に分類することができる。以後上記(1)~(3)までの分類に従って、各々の場合につき、その過渡特性を検討していく。
(1)1次遅れ伝達関数で表される制御系の過渡特性
1次遅れ伝達関数はであ表すことができる。子の系に単位ステップ入力が印加されると、制御量の応答は
を図示する。この図において
(イ)1次遅れ系の入力ステップ印加時より秒後(は時定数)において、最終値の63.2%に達する。
(ロ)で接戦を引き、その接戦をそのまま延長すると、秒後に最終値に一致する。
(2)2次遅れ系の過渡特性
(i)の場合
まず、インパルス応答を求める。
の場合には、振動が減衰せず、が大きいほど減衰が速くなるので、を減衰係数という。また、減衰がないときの振動の各周波数はで与えられ、自然角周波数と呼ばれる。減衰振動のときの角周波数はで与えられ、減衰振動の角周波数と呼ばれる。
次にインディシャル応答を求める。
インディシャル応答
インパルス応答と同様にが大きくなると減衰が速くなる。
(ii)の場合
インパルス応答は
インディシャル応答は
(iii)の場合
インパルス応答は
インディシャル応答
インディシャル応答は
以上の結果から2次遅れ要素においてはシステムの極が実でなく共役複素数となる場合に減衰係数がを満たし、インパルス応答やインディシャル応答は振動的になる。
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