(1)ブロックおよび加算点の統合
(i)直列ブロックの接続
(a)は直列に接続された三つのブロックを表している。伝達関数の定義から明らかなように図(a)は一つの伝達関数を持つ図(b)と等価である。
(ii)並列ブロックの接続
(a)のように複数個のブロックが並列に接続されている場合、図(b)のように伝達関数の和を伝達関数として一つのブロックにまとめることができる。
(iii)加算点
図(a)のように複数個の加算点が並んでいる場合、図(b)に示すように一つの加算点にまとめることができる。
(2)同一構成要素の交換
(i)ブロックの交換
(a)のように三つのブロックが直列に接続されているとき、入力信号、出力信号に衆目する限り、(b)のようにブロックの順序をどのよに変更しても構わない。
(ii)加算シンボルの交換
(a)のように加算シンボルが複数個ならんでいるとき、加算の順序は(b)のよにどのように変更してもよい。
(3)異種構成要素の交換
(i)ブロックと加算シンボルの交換
(a)のように接続されている場合、接続順序を交換すると(b)が得られる。
(ii)ブロックと分岐の交換
(a)のように接続されている場合、接続順序を変更すると(b)が得られる。
(4)信号の向きの反転
(i)ブロックでの反転
(a)は伝達関数をもつブロックと入力信号、出力信号である。ここで、信号の向きを反転し、入力信号、出力信号とみなすと、(b)のようになり、を伝達信号にもつブロックを導入すればよい。
(ii)加算点での反転
加算点での向きを反転する場合、(a)を(b)のように移項すればよい。要するに、反転する場合、矢印の向きを逆にするか、の符号を逆にすればよい。
(iii)分岐点での反転
分岐点では信号の流れをどのように変えてもよい。(a)(b)(c)(d)は等価である。
【例題】
このブロック線図を等価変換を用いて簡単化せよ。
まず、信号の向きを変換すると以下の(a)が得られる。
次に伝達関数を整理。以下の(b)が得られる。
最後に再び信号の向きを変換すると(c)が得られる。
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