2017年電験1種 機械制御問3

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 (1)電圧v_b,v_cv_aからそれぞれ\displaystyle{\frac{2\pi}{3},\frac{4\pi}{3}}遅れた波形となるので図のようになる。

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 (2)与えられた式に従うと

\displaystyle{ v= \frac{4}{\pi} \times \frac{E}{2} \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{2n-1} \sin\frac{(2n-1)\theta}{2} \sin(2n-1)\omega t }

\displaystyle{ = \frac{4}{\pi} \times \frac{E}{2} \left\{ \sin \frac{\theta}{2} \sin \omega t - \frac{1}{3} \sin \frac{3\theta}{2} \sin 3 \omega t + \frac{1}{5}\sin \frac{5\theta}{2} \sin 5\omega t - \cdots \right\} }

したがって相電圧の基本波の振幅は

 \displaystyle{ \frac{4}{\pi} \times \frac{E}{2} \times \sin \frac{\theta}{2} = \frac{2 E}{\pi} \sin\left(\frac{1}{2}\times\frac{2\pi}{3}\right) = \frac{\sqrt{3}E}{\pi} }

 線間電圧の実効値V_{ab}

 \displaystyle{ V_{ab} = \frac{\sqrt{3}E}{\pi} \times{\sqrt{3}}{\sqrt{2}} = \frac{3E}{\sqrt{2}\pi} }

 

(3)図3における区間 \bigcirc\!\!\!\! {\scriptsize 1}\quadの領域では電圧は常に非負であるからQ_2には常にオフ信号が、Q_4には常にオン信号が与えられる。Q_1,Q_2には交互にオン・オフ信号が与えられ、これによって回路は制御されることになる。

 

(4)位相\omega t_0のとき、Q_2,Q_3がオンであり電圧{v_a}'=0、電流{i_a}'\lt 0 である。よって電流の向きに注意すると下図のようになる。

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 電流はQ_3,D_6を通ってOに流れる。

 

(5)PWM制御機関 \bigcirc\!\!\!\! {\scriptsize 1}\quadにおいて、それぞれの条件における電流の流れは下図のようになる。

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 クランプダイオードD_5,D_6が働くことにより、中性点と接続して電圧{v_a}'=0を出力し、3レベルの出力を実現している。例えば、PWM制御機関 \bigcirc\!\!\!\! {\scriptsize 1}\quadにおいて{i_a}' \geqq 0 のときを考えれば、素子Q_1がオフになった瞬間に電流はD_5に転流し、接続点の電位が0にクランプされていることがわかるだろう。