命題 冪零変換のJordan標準形の一意性
体は,とする。を次元線形空間とする。を冪零変換とすると、の表現行列であるJordan行列はJordan細胞の並べ方を除けば一意的である。
証明
なら明らかなので、とする。とする。
をJordan行列での適当な基底に関するの表現行列とする。であるからの中のJordan細胞の最大次数はである。なるに対しの次Jordan細胞の個数をとする。がで定まることを示す。
とおく。これは基底の取り方によらず定まるが、表現行列を用いて計算することもできる。
これを書き下ろすと,
となってがによって決まることがわかる。
Jordan標準形の存在の一意性定理については斎藤正彦先生の線型代数演習が非常にコンパクトです。おすすめです。